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LE SALON

LE CONTE DE NOËL
DES MANUFACTURES ショコラ工房の物語

ミミズク

クリスマスの魔法が少し早くやってくることがあります。
今年は秋にそんなことがありました。
食べ物を求めて森の奥深くを探していた鹿が、道の真ん中で不思議ものを見つけたのです。
それは見慣れない果実でした。
楕円形で、でこぼこがたくさんありました。
鹿は早速、友人で探検家の美味しいものが大好きなミミズクにその実を見せに行きました。

カカオ

「これはカカオの実だよこの実の中には、カカオ豆が沢山入っているんだ。」
とミミズクは言いました。

「カカオ?」
鹿は驚いてこう言いました。
「ショコラを作るための?」

「その通り。でも、これはただのカカオの実じゃない。魔法のカカオの実だよ。この実を植えて願い事をしてごらん、私の言っている意味がわかるはずだよ!」

鹿はミミズクが言ったように森の中にカカオの実を埋めました。
そして食いしん坊の鹿は、ショコラを作りたいと願ったのです。

すると、たちまち見事な建物が姿を現しました。
それはカカオ豆の選別機、焙煎機、カカオブレーカー、コンチングマシン、コーティングマシンなどの機械と共に、いろいろな産地のカカオ豆も揃った堂々と輝くお城だったのです。

「さあ、君がショコラ工房の責任者だよ!」
ミミズクが言いました。
「すべきことは、分かっているね!」

「でも、何から始めよう?」
鹿は言いました。
「ショコラを作るのは大変な仕事だよね。」

「そうだね。では、材料選びから始めよう。君の感覚を信じて、砂糖は入れすぎず、カカオの風味の力を引き出すんだ。」

鹿
ショコラ工房
森の中

そこで鹿は森の中をあちこちと探し回り最高の食材を集めました。
アーモンド、松の実、ヘーゼルナッツ、リンゴ、スグリの実、カシス。スパイス、タイム、シナノキ、バニラ...。
どれも、この上なく繊細で驚くほど良い香りです。
そしてクリスマスの2週間前、厳選した材料をすべて携えて工房に戻りました。

「さぁ、仕事に取り掛からなくっちゃ!最高のショコラを2週間で作らなければ!新しいレシピを考えるには2週間なんてあっという間だ!」

賢い鹿は早速仲間のリスと共に、最強のチームを結成しました。
彼らは失敗を恐れず、根気強く試作を繰り返しました。
そしてクリスマスの1週間前に、とても美味しいショコラが出来上がりました。

「もっと美味しくできるはずだ。」

と鹿は言い、そしてまた作り続けました。
仲間のリスたちは昼夜を問わず鹿を手伝いました。

りす りす
りす
森

そこへショコラの香りに惹かれてやってきた新しい仲間が、鹿のショコラ工房に加わりました

「君のショコラに触発されてね、アイスクリームを作りたいんだ。」
と熊は言いました。

熊

「あなたの作るショコラのお菓子が好き。」
とコマドリは歌いました。
「それでクッキーを作るのはどうかしら? 」

そして彼らは皆で一緒に最高に素晴らしいごちそうを準備しました。

鹿

「クリスマスまでもうすぐ。」
と鹿は皆に言いました。
「森の動物たちを招待してクリスマスパーティーしよう!」

クリスマスの夜、お城に雪が降り積もりました。
美味しいものを食べに皆が集まるとそこには今まで見たこともないようなごちそうが並んでいました。
ミミズクも屋根に止まり、パーティーに参加しました。
2枚目のクッキーを食べる前に、ミミズクは羽を整えました。
そして、アイスクリームをもう一口食べると満足そうにうなずきました。
さらに何個目かのガナッシュをかじると目を閉じて味わいました。
クリスマスの魔法のように美味しいショコラが口の中に広がりました。

「任務完了!」
ミミズクは鹿に向かって言いました。

「君と君の仲間のおかげで、魔法のカカオの実はアラン・デュカス工房という大冒険を生み出したね。」

ミミズク

ショコラ工房の物語

登場人物(登場順)

鹿

カンタン・フランシス=ゲニュー

ル・ショコラ・アラン・デュカス
パリ工房シェフ

ミミズク

アラン・デュカス

マテオ・カソーネ

ラ・グラス・アラン・デュカス シェフ

コマドリ

フローラ・デイヴィス

ル・ビスキュイ・アラン・デュカス シェフ

制作
文:アレックス・クソー
イラストレーション:ジャン・ダラン
デザイン:ソワン グラフィック

プロデュース: アラン・デュカス
マニュファクチュール